ケトン革命

カーボ裏技

白米、パスタはおいしいものだ。

ほとんどの人がCKD(周期)やTKD(標的)を行う際に、必ずこれらに手が伸びることであろう。

しかし、いざ体内に入り角砂糖何個分とも言われるほどに変化されては、糖尿系の人はやっぱり距離を置くしかないものだろう。

が、最近日本では「糖質オフ炊飯器」なるものが販売され出したそうで、33%の糖質をお米から抜いて炊き上げるとの宣伝文句で、その糖質オフの理論を拝見するに、お米をゆでると33%の糖質が出て、そのゆで湯を取り除いて新たなお湯で炊き上げる仕組みだそうだ。

 

これを一見して「本当かよ?」と疑った。

いっぱしの理屈ではあるが、科学的ではない。

「糖質オフ炊飯器」で炊いたご飯と、普通の炊飯器で炊いたご飯を食べ、その後に血糖値を測って違いが見られたとのデータと共に宣伝してくれるのなら、充分納得のするものであり安心して購入できるであろうが、科学的根拠が全く見られないのだ。

 

これとは別に、簡単な実験内容ではあるが、しっかりとした科学データを次に紹介しよう。イギリスのデニス・ロバートソン博士いわく、パスタやご飯を炊いた後に冷やすと、「レジスタントスターチ=難消化性でんぷん、または耐性でんぷんとなって、食物繊維的に体に吸収され、血糖値が上がらないと言うのだ。

クリス・ヴァン・トゥリケン博士は、この理論の検証のために3日間かけて数人のボランティアに実験を行ったところ、確かに、ゆでてからすぐに食べたパスタよりも、一度冷やしてから食べたパスタの方が、血糖値の上昇は低めであった。

が、驚いたことに、冷やしたパスタを再び温めて摂取したところ、なんと血糖値上昇率が50%低下することを発見した。

 

2015年のデータでは、ご飯の糖質率を60%減少させる方法を発見した。

スリランカのスッダー・ジェイムズ氏によれば、お米に小匙1杯のココナッツオイルを混ぜて茹で、ゆでた後は12時間冷蔵庫に保管する

これでご飯は難消化性でんぷんとなり、60%の糖質減少となるらしい。

 

これが事実なら、おにぎりや冷えた弁当など、低糖質と言うことになろう。

また寿司も健康食として、アメリカで人気があるのも頷ける。

デイブ・アスプリーがドム博士をインタビューした中で、面白い話を思い出した。

お二方とも寿司が好きなようで頻繁に食べているらしく、殊にお二方とも寿司をMCTオイルに浸して食べるのが好きなようで、デイブいわく「味が更にSUSHIになる」とのこと。

これを聞いて吾人も早速試してみたところ、確かにこってりとした味わいがあった。

また冷やしたご飯やパスタも試してみた。

ケトン人である時は、敏感に体内の変化に気付くもので、ケトン代謝からブドウ糖代謝に移行する時には、ほんの軽いめまいがして、心拍数が上がるような感覚に見舞われる。

菓子や寿司を食べすぎた後によく感じるもので、冷やしたパスタやご飯は量的に150∼200グラム以上食べれば、糖代謝になると観察した。

そして、その後に行う運動では汗をかきやすく、量も滝のように流れ落ちる。

 

実は「蕎麦」は難消化性でんぷんであると、この記事の資料調査中に発見した。

2年ほど前に、蕎麦は繊維が豊富で消化しやすい、太らない健康食であると耳にしたことがあり、毎週最低でも1度は食べていたが、江部康二医師の著書に蕎麦も糖質で、食後に血糖値が上がると記されていたので、行き当たりばったりに得た情報を信じて蕎麦を避けるようになった。

去年の10月ごろ、トーマス・デロアーの動画で、buck wheat=蕎麦はGI値25のローカーボなので、食べても大丈夫と言っていたのを見てから、再び蕎麦を定期的に、特に筋トレ後に豚肉と卵と一緒に食べ始めた。

確実なことは、蕎麦を食べた後に血糖値を測れば良いのだが、吾人の経験上、この場合血糖値など無視して、蕎麦はとにかく体に良いと言い切れる。

3年ほど前日本に帰省した時、毎朝月見そばを食べていたが、食後はご飯と違って重々しさが無く、お腹が膨れてもすぐにへこみ、消化もしやすい減量にはもってこいの食材であると感じたものだ。

それに加えて、難消化性でんぷんであるならば、週に3回は食べてもケトン値にそれほどの影響は与えないかもしれないと思いたい。

 

ところで難消化性でんぷんの発見は、1999年に岐阜大学の早川享志教授が『デンプンの摂取と健康-難消化性デンプンの生理機能』との論文を発表されているので、日本製かと喜んだが、一応英語で調べたら、1970年代にその概念が浮かび上がり、ヨーロッパ共同体の支援で調査が推し進められて、実験証明されたようだ。

でんぷんと聞いて、ついついジャガイモを連想してしまうが、ほとんどの炭水化物にはこのでんぷんが大なり小なり含まれていて、すっかり日本で普及された言葉「糖質」は、その機能の上からこの「でんぷん」に当たるものと言えよう。

この「でんぷん=糖質」には、3つのタイプがあり、簡単に英語から訳せば、

1.急速消化性でんぷん(Rapid Digested Starch) 2.遅消化性でんぷん(Slowly Digested Starch)  3.難消化性でんぷん(Resistant Starch)

と、一見してわかる通り、体内に注入されてからブドウ糖に変換される速度、または血糖となる速度を基準にして、3種類のでんぷん素に分類されている。

低糖質食材のように、難消化性でんぷんの食材が販売されているようだが、炊いたご飯を一晩冷蔵庫で冷やせば充分に効果が発揮されるし、市販の品物には余計な化学成分などが含まれているので、先に挙げた炊飯器もそれらと同等に捉え、今手元にある従来の炊飯器で、自給自足的な低糖質=難消化性でんぷんの主食をお勧めする。

 

もうひとつカーボを摂取する前のチップとして、アップルサイダー酢を大匙1杯飲んでおくと、血糖値スパイクをいくらか避けられることも付け足しておく。

アップルサイダー酢と他の酢の違いは、アップルサイダー酢は100%に近い酢酸を含有し、他の酢は幾パーセントの酢酸に、様々な成分を混ぜていることにある。

濃度の濃い純粋とも言える酢酸が、体内のphレベルを調整し、血糖値も抑え、肝臓機能を援助して、ビタミン、ミネラルの分解・吸収を大いに促進する。

栄養素の処理を潤滑にするので、ブドウ糖が速やかに細胞や筋肉に吸収されるとの理屈だ。

またケトン人なら、酢酸が更なるケトン値を上げることを1940年代にすでに発見されていて、最近ではミトコンドリア生合成を促すとのデータもあるようだ。

以上の理屈から、アップルサイダー酢を毎日飲むことによって、体脂肪を燃焼しやすい体質になるとの風説は、間違いではないと頷けられる。

確かに、アップルサイダー酢を飲んで食事をすれば、食後ゲップが出ないしブドウ糖特有の強烈な眠気が襲わない。

もちろんカーボの摂取量が多ければ多いほど、アップルサイダー酢の威力も落ちるものであろう。

アップルサイダー酢の1日の摂取量は大匙2杯。

過剰摂取はカルシウムを溶かしてしまい、骨や歯をもろくしてしまう。

 

血糖値スパイクをなるたけ軽減させる食べ方として、ほとんどのダイエットオタクには常識になっていると思うが、野菜→肉・魚(カーボ積載食として脂ものは避ける)→糖質で、吾人の例として、カーボ積載日には行きつけのバイキング形式食べ放題レストランに行くのだが、まず、サラダとブロッコリー、カリフラワーを食べてから、肉食べ放題。そして、デザート代わりに寿司で、時々スパゲッティ。

またMEC食のように30回も噛むほど忍耐強くはないが、口内の食物が完全に砕けるまで噛むことは大事なことである。

 

CKD(周期)を行う人は、週に2日間朝から晩までバッチリと炭水化物を摂取する人がいるようであるが、吾人は2週間に1度、土曜日の昼食時だけにカーボ積載を行い、その後は決まって20∼24時間の断食を行うことを習慣掛けている。

また土曜が無理で日曜に食べた日など、夜には必ず高カロリー燃焼をするトレーニング、足の筋トレかHIITトレーニングを行うことにしている。

 

最後に前回の補足も兼ねて、毎週末丸2日間ばっちり炭水化物漬けになるCKDについてデータがあるので紹介しておく。

まずこのCKDの考案者であるが、1990年代のボディービルダー、ダン・ドゥーシェイン氏であり、1996年に出版された本に述べられているようだ。

そして吾人が憶測していたヴォレック博士とフィニー博士は、逆にCKDに対して否定的であり、否定するに足りるだけの研究調査をすでに行っていた。

それは、週5日間トレーニングをするケトン人アスリートに、CKD組とSKD組とに分けてケトン値と脂肪代謝、減量値を比べてみたところ、ケトン値の違いが顕著であり、CKD周期組は木曜か金曜日にケトン人に戻るようなケトン値であり、脂肪代謝または脂肪減値はSKD標準組のほうが高く、減量値は同じであった。

つまり、CKD組はSKD組よりも体脂肪は減らず、悪いことに筋肉を失くしていたとの調査結果が引き出されたのだ。

よって毎週末2日のCKDはケトンスパイクを起こさず、かえって3日から4日間かけてケトン代謝に戻るので、ケトン体の恩恵を受けていない状態なのだ。

吾人の意見としては、丸2日間カーボ食べ放題は食べ過ぎであり、週1に1食か、土日に1食ずつが適当であり、「日」ではなく「食」で換算したほうが、脂肪代謝のケトン人へと無理なく素早く戻れるし、ケトンスパイクも起きるものと思うのだ。

また吾人の経験として、2週間に1食のCKDは元気回復またはエネルギー充電になり、カーボ積載後は筋肉がバルクアップして太くなり、体脂肪は増えるでも無く依然として減っているものだ。

願わくば、次は週に1食か2週に1食、または週に2食など様々なCKDケトン人を対象に、調査を行ってもらいたいものだ。

 

しかしながら、激しいトレーニングよりも、24時間以内の一時的断食が、ケトン人に戻る近道となる。

また、ケトン人にとって断食が簡単にできるということは、基本的に人の体は脂肪代謝向けの体であるとの証明でもあると思うのだ。

次回はこの断食について、宗教臭くない、科学的な見解を述べようと思う。