母と子はケトン

「赤ん坊が飲んで育つ母乳中の脂肪の54パーセントを飽和脂肪は占めている。」(『「いつものパン」があなたを殺す』デイビッド・パールマター著、三笠書房より引用)

これは命の始まりから、我々は飽和脂肪を必須としている証拠である。

母乳と聞いて忘れてはならないのは、吾人と同郷、千葉県で産婦人科を営んでおられる宗田哲男医師だ。

宗田先生は「新生児はケトン体で生きている」(『ケトン体が人類を救う∼糖質制限でなぜ健康になるのか∼』宗田哲男著、光文社、2015年より引用)ことを全世界に最初に証明した医師である。

この発見・調査報告はどこかの賞を受賞してもおかしくないほどの価値があると思うのだが、残念ながら「コレステロール神話」は、未だ全世界に内臓脂肪のように根強くこびり付き、ケトジェニック・ダイエット自体、理解者は爪の上の砂ほどの割合であるのが現状であろう。

 

今年の8月末に、著名な医学雑誌「ランセット」に[糖質と脂質に関する記事] が掲載されたが、隣国の雑誌にもかかわらずアイルランドではトンと話題に上らないし、ある[新聞記事] で栄養士が取り上げただけであるが、その記事でさえ調査結果自体に賛成なのか不賛成なのか、ただ単にグチグチ愚痴っているような内容であった。

この栄養士は近年、世界的に聞かれる高✕✕や低✕✕とのダイエット情報に嫌気が差しているらしく、ケトジェニック・ダイエットを過激なダイエットと紹介して、現代ではなく1920年代の資料に照らし合わせ、コレステロール神話やその真相をも全く勉強していないのが読み取れ(または無視しているか)、飽和脂肪酸・動物性脂肪の利点を受け入れ難いようで、しまいには悪い油など無いなどと言う始末。

アメリカや日本などのダイエット先進国では、トランス脂肪酸は悪いと騒がれているのに、その状況をまったく把握していない不勉強さ丸出しの、後味の悪い記事内容である。

残念ながらこれがアイルランドでの、ダイエットレベルであろう。

 

その点日本では、江部康二先生が「東洋経済誌」 でランセットの発表に躍り上がって反応した記事を発表しているし(もちろん書籍の宣伝もバッチリしている)、社会的に日本が世界に先んじて糖質制限食品を生産販売しているほどだから、実に羨ましいかぎりである。

 

ところで宗田先生の世紀の研究によると、妊婦は普段よりもコレステロール値とケトン値が上がり、妊娠後期には誰もが高値に達するが、授乳によって双方の値は下がりだすとのこと

ウフェ・ダウンスコウ博士の『作られたコレステロール悪玉説」では、コレステロール値の高い女性は、低い女性よりも長生きをするとのデータを取り上げ、女性はコレステロールが高いほうが良いと再三強調していたが、宗田先生のデータと理論的にも十分に繋がっている。

命を育むためには、脂肪とコレステロールが天然の栄養素であり、命を維持するためにも必要な栄養素であるとの動かしがたい事実を、宗田先生のデータは満天下に知らしめてくれたのだ。

胎内はケトン体で充満し、胎児はそのケトンで成長する。

そして赤ちゃんは、生まれてから数週間は高ケトン値であるとの事実、また母乳の半分ちょいは飽和脂肪であるとの事実は、ケトン代謝こそが元来の人間に適したダイエットであることの天啓的な証拠でもあろう。

 

そこで、脳梗塞や心筋梗塞で、なぜ大量のコレステロールが発見されるのか?

宗田先生の言葉を借りるなら

「じつは梗塞の現場にコレステロールが見つかっただけで、コレステロールは犯人ではなく、血管損傷の修復係であることが明らかにされてきました。火事の現場で見つかったコレステロールは、放火犯ではなくて消防士だったのです。」

 

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