3種類のケトジェニック・ダイエット

ケトジェニック・ダイエットには、基本的に3種類の方法がある。

1.SKD (Standard Ketogenic Diet)標準ケトジェニック・ダイエット

2.CKD (Cyclical Ketogenic Diet) 周期ケトジェニック・ダイエット

3.TKD (Targeted Ketogenic Diet) 標的ケトジェニック・ダイエット

 

〈SKD=標準ケトジェニック・ダイエット〉

このSKDは、頑固にローカーボの食事を毎日続け、ケトン人でいることだ。

体脂肪を減らすための減量時、またはケトン人となるケトン転換期には、この方法が最適である。

 

〈CKD=周期ケトジェニック・ダイエット〉

このCKDと次のTKDは、定期的に激しい運動をしているケトン人たちにお勧めだ。

また、はっきりとした科学的データは出ていないが、女性はホルモンのバランスを保つのに、このCKDが適していることを、最近あちらこちらで耳にするようになった。

CKDとは周期的に炭水化物を摂取するもので、例えば毎週末にご飯や甘いものを食べたいだけ食べるもの。

もちろん、血糖値スパイクを起こすような、自虐的な摂取の仕方は禁物である。

あくまで良識的に、欲に振り回されないよう、自制しながら食事を選び、摂取するべきであろう。

また注意点としては、炭水化物を摂取する際には脂質を普段よりも控え、肉などは脂身の少ないものを選ぶことで、詮ずる所炭水化物と脂質の組み合わせは相性が合わないのだ。

もう一つの注意点は、果物は控えること。

これは、果糖(フルクトース)というものは、筋肉のグリコーゲン(=一時的なブドウ糖の貯蔵庫)に蓄えられることはなく、肝臓に全て蓄えられる。

過剰な果糖は肝臓から溢れれば即体脂肪となるので、筋肉の補佐などせず、かえって体脂肪を増やしCKDやTKDの意味をなさなくなる。

ケトン体が生産されるのは、肝臓内のグリコーゲンが使い果たされた後で、その後は自動的にケトン体質に変換する。

 

以前にも述べたが、吾人は基本的に2週間に1度の周期で、寿司や大量の肉料理を頬張っている。

また、この炭水化物を摂取する日をチートデイとは称さずに、「Refill Day=補充日」か「Carb Load Day=カーボ積載日」と呼ばれている。

 

〈TKD=標的ケトジェニック・ダイエット〉

これはターゲットとの語が使用されているように、ある一定の時に炭水化物を摂取する方法で、一般的にはトレーニング前かトレーニング中の摂取が奨励されている。

炭水化物の量は50グラムで、トレーニングと言ってもジョギングやヨガなどの軽い運動ではなく、筋トレやHIITトレーニングなどの筋線維をブチブチにチョン切るような、激しい運動か、トライアスロンやウルトラマラソンのような超持久性の運動を指す。

運動後の食事に、炭水化物と多量の脂質はお勧めしない資料があるが、人それぞれ違いがあるので自身で試してみることが一番であり、体力の回復促進やケトン値やケトン状態に変化が見られなければ、炭水化物を摂取しても差し障りはないだろう。

 

ヴィラセニョール氏は、脂質を取りすぎエネルギーとして消費されなければ、体脂肪として蓄積されると強調しているが、吾人の理解している範囲では、中性脂肪となるのは糖質であって脂質ではないことだ。

以前から述べているように、「食脂肪は体脂肪にはならない」し、脂質はある程度の量を食べれば満腹感を催し、脂質を食べすぎるということは稀であり、過ぎれば気持ち悪くなるものであろう。

知っての通り、炭水化物と蛋白質は1グラムにつき4キロカロリーであるのに対し、脂質は9キロカロリーであるが、30グラムの脂質と蛋白質とでは、その満腹感は断然差がある。

脂質なら30グラム=270キロカロリーで満足であろうが、30グラムの肉(=120キロカロリー)など、猫よりも食べない量であろう。

よって、脂質が満腹感を与えてくれるのであって、カロリー過多となるまで脂質だけを摂取することは稀であり、炭水化物や蛋白質はカロリーは低いが、満足感を得るまで食べれば、つい脂質以上にカロリーが跳ね上がってしまうものだ。

拙著『ケトン人』でも述べたが、カロリー過多が体脂肪を増やす原因の一つでもあり、現実的には、卵や肉、ナッツ類を見ればわかるように、ほとんどの脂質は単独で存在するのではなく、蛋白質や炭水化物との複合体であるので、稀に見るケトン人のカロリー超過は、脂質と付随栄養素の取り過ぎが原因であろう。

20年近くケトン人でありボディービルダーでもあるヴィラセニョール氏の意見でもあるが、彼のポイントはボディービルダーではない普通の人たちにとっては少し神経質すぎるものであると思うのだ。

 

ところで日本の糖質制限ダイエットにも、プチだのスーパーだのと3種類ほどあるようであるが、ケトン体ではそんな生半可なものではなく、ローカーボは当たり前の常識である。

日本のケトジェニック・ダイエットの虎、宗田哲男医師の言葉を借りれば

「ケトン体が出ないような糖質制限を目指すというなら、それは間違いです。

緩やかな糖質制限は、糖質を減らすという利点はあっても、ケトン体の恩恵を受けないという点で、糖質制限の良さが半減してしまいます。

(『スーパードクターズ!いま、糖質制限がすごい!』ぴあ株式会社、2017年より引用)

と、産婦人科医なのでやさしく勧告されている。

ちなみに日本ケトジェニック・ダイエットの龍は、日本ファンクショナルダイエット協会を設立し、ケトジェニック・ダイエットアドバイザーを養成している白澤卓二医師だと思っている。

 

CKDとTKDを行う際に条件となるのが、最低でも1∼3カ月は完全なケトン人であることで、もしも半ケトン状態の糖代謝のままで実行すれば、体脂肪を燃焼せずに逆に蓄積してしまうことになる。

せっかくケトン人となったのに、周期的に炭水化物を摂取することに利益があるのかと思われるかもしれないが、吾人の経験上、体脂肪の燃焼が加速化するし、筋肉の発達、回復にも役立っている。

また、食事から得られるケトン値というものは、ほとんどマイルドな域で、MCTオイルを摂取するか、数日の断食を行って初めてケトン値が跳ね上がるもので、CKDやTKDを行うことによって一時的に糖代謝となり、再びケトン代謝となった時に、以前よりも速やかに、多めにケトンが生産されるとのことだ。

つまり、ケトンスパイクなるものが発生すると言えるだろう。(ケトアシドーシスとは完全に異なるもので、ケトン値も断然低いもの)

 

マンネリ化した機能に刺激を与えることで、新鮮な勢いを得ることになるので、時にはインスリンを眠りから覚ますことも必要だと思う。

また、相次ぐ運動で体は疲れるもので、充分な睡眠と同時に、カロリーがジャンプする食事も時には必須である。

 

さて、この3種類の方法を考案したのは誰か?

吾人はヴィラセニョール氏率いる筋肉ケトン人グループ、Ketogainsでこれらのダイエット方法に出会ったのだが、掘り下げてみると1998年に出版されたライル・マクドナルド著「The Ketogenic Diet」に、すでに紹介されていた。

この人物は初耳の人であり、その他いくつかのダイエットやスポーツ栄養に関しての本を出版しているので、この人の創作かもしれない。

個人的には、『ケトン人』で紹介したヴォレック博士とフィニー博士かと思ったが、今後更に勉強して、この由来を追求していこうと思っている。

 

Pocket
LINEで送る
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 3種類のケトジェニック・ダイエット