ケト適応

ケト適応を自分の言葉で説明するならですね、
ケトン体が血中に溢れてデフォルトの燃料であり、頭が鮮明に冴えて、食事無しで悠に半日以上も労働や動き続けることができ、空腹感に襲われても、苦にもならず感情の起伏も起きず、集中力も持久力も薄れることは無い。
このような状態がケト適応された状態であると。
しかしこれは、ケト適応となった症状を説明していまして、この「ケト適応」との言葉の生みの親であるスティーブ・フィニー博士によれば、やはり学者らしく生理学的な体の変化を取り上げて説明されています。

「Keto Adaptation」

まず、1980年83年のフィニー博士の調査によりますと、ケトジェニック・ダイエット後1週間で血中のβヒドロキシ酪酸の濃度が上がり、一時には低下した運動後の回復力が、数週間か数か月後には通常に戻る時、ケト適応したとも言えますし。
また、1980年代の調査ではケトジェニック・ダイエットをはじめて4-6週間に、筋グリコーゲンが半分低下したことがわかったのですが、2016年のヴォレック博士の調査では、6カ月以降には、筋グリコーゲンレベルがブドウ糖代謝のレベルに戻ることを発見しました。
次に、血中尿酸濃度が適度な蛋白質のケトジェニック・ダイエットを始めて、1週間後には倍に跳ね上がり、8週間後には元に戻る調査報告も挙げておられます。
腎臓君たちは小さいのに常に大量の仕事に追われまして、食の変化によって増えた2つの酸、βヒドロキシ酪酸と尿酸に対処して、デフォルトになるように調節調整をする。何十年もかけて習慣にしてきた体内のケミカルバランスを、たったの6-8週間で調節してしまうのは、大した能力であり、重労働をこなしても、なお休みなく稼働し続けるタフな存在です。
他には活性酸素の削減によるミトコンドリアの寿命延長や生合成の拡張、炎症の低下、体脂肪の減少と体格の改善なども挙げてますね。

あとケト適応期に見舞われる有名な症状ですが、ケトフル―つまり、自分はケトン風邪と呼んでいるものですが、自分も体験したものでは立ち眩み、強烈な立ち眩みですね。
他には目まいや頭痛、鼻水、倦怠感、吐き気、筋肉が攣るなど人によって様々なようですが、このケトン風邪の原因は塩分とカリウム不足から起きているものです。
尿酸レベルが落ち着き、βヒドロキシ酪酸が血中に存在し、このケトン風邪の症状が消えた頃、6-8週間がケト適応にかかる期間とも言えるかもしれませんが、厳密に言えば、筋グリコーゲンの貯蔵量がグルコース代謝の時と同じレベルに戻る時が、ケト適応が完結したものと言えるかもしれません。
つまり、6カ月以上の期間を見積もって、ケト適応が完結したことになるでしょう。

『3日断食』より

また、ひとつ加えておきたいのは、日本人、東洋人の体質は、インスリンの分泌量が白人よりも少ないことで、このことから、ケト適応に有する時間にもなんらかの影響があるのではないかとのことです。
インスリンが引っ込んで、ケトン体が登場するメカニズムから、インスリンが少なければすくないほど、ケトン体を産生しやすいと思うのです。
例えば私個人の体験としまして、去年の暮れに3日断食を行った際、断食開始24時間後、尿試験紙に4m/mol のケトン値を検知しまして、この値は西欧のデータを基にすれば、断食2-3日で到達する断食ケトーシスの値なんです。
そして、自分の断食2-3日目のケトン値は6-8m/molと、西欧のデータによれば5日目に到達する値を示していました。

以上のことを束ねまして、個人差があって一概には言い切れないものですが、白人に比べ、一般に東洋人ではインスリン分泌量の少ないことと、痩せの2型糖尿病などの例があるように、比較的ケト適応期間は短いもので、6カ月もかからないものと思います。
「Ethnic Differences in the Relationship Between Insulin Sensitivity and Insulin Response」

「Type 2 diabetes in East Asians: similarities and differences with populations in Europe and the United States」

「Type 2 diabetes in South Asians: similarities and differences with white Caucasian and other populations」

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