コレステロールに善も悪もないことを、繰り返し言っておく。
HDLやLDLはリポタンパク質と呼ばれる蛋白質であり、脂肪でもコレステロールでもなく、防水加工の成されたコレステロール運搬車である。
HDLは脳から肝臓にコレステロールを運搬し、LDLは肝臓から体の全細胞へとコレステロールを運搬する役目があり、実にコレステロールとは細胞を修復するガマの油なのである。
悪玉とレッテルを貼られたLDLを減少させればどうなるのか?
知っての通り細胞レベルからの修復ができなくなり、問題が大きくなるだけである。
LDL値が高いというのは、過剰な糖質摂取によって、体のあちこちに炎症が起きているとの警報であるとも言えよう。
これまで、勉強してきた本の中で、コレステロール値を下げる薬「スタチン」についての弊害を何度か目にした。
スタチンは肝臓でのコレステロール合成を抑えてしまい、血中でのLDL値を低下させる。
するとその影響を受けて、ガマの油を必要としている脳が栄養不足に陥ってしまう。
それによって、神経細胞間の電気信号伝達に支障をきたし、新しい脳細胞の成長を妨げることになる。
このメカニズムを更に詳しく説明すれば、
- スタチンは肝臓で酵素を阻害して、メバロン酸を作らせない。
- メバロン酸はコレステロールの原料であると共に、コエンザイムQ10の原料でもある。
- コエンザイムQ10は、ミトコンドリアがエネルギーを生み出すために必要な物質。
- コレステロールとコエンザイムQ10の不足によって、ミトコンドリアは十分なエネルギーを生産できなくなる。
- こうして脳はエネルギー不足に陥る。
- 脳がエネルギー不足であると、全細胞や神経の修復もできなくなる。
- コレステロールが十分に供給されなくなるとホルモンバランスも崩れ、以下のような症状をもたらす。
疲れや息切れ、バランス問題、筋疾患、筋肉痛、衰弱、消耗症、心不全、高血圧、パーキンソン病、認知症、アルツハイマー病、記憶喪失、暴力、うつ、神経炎、性的不能、骨軟化症、糖尿病、ガン。
最後に宗田先生の本から、順天堂大学特任教授の奥村康氏のブログの引用で、コレステロール抑制の危険性を訴えたゾッとする箇所を、孫引きではあるがここで紹介しておきたい。
「医者に行くと、コレステロール220以上で異常だといってコレステロール降下薬を飲まされる。すると、まずいことに鬱になるんですね。非常に多弁だった人が無口になったりする。そういう人が電車に飛び込むんだという話をしていたら、実際に帝京大学の精神科の先生とJR東日本が協力して、JR中央線で自殺した人を調べたんです。その結果、九割が五十五∼六十歳で、ほとんどが男だった。それが見事に全員、コレステロール降下薬を飲んでいたという。」
また、こんな気になることも書いています。
「コレステロール降下薬の年間売り上げは三千∼四千億円ともいわれている。その七割は女性が飲まされている。女性は閉経後に必ずコレステロールが上がるからです。もしコレステロール降下薬を処方されても、安易に従わず、捨ててしまうようお勧めします。」
(『ケトン体が人類を救う∼糖質制限でなぜ健康になるのか∼』宗田哲男著、光文社、2015年より引用)
【参考文献】
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- 『「作られたコレステロール悪玉説」何が心臓疾患を本当に引き起こすのか』ウフェ・ダウンスコウ著、羽渕脩躬訳、西海出版、2015年
- 『「いつものパン」があなたを殺す』デイビッド・パールマター著、白澤卓二訳、三笠書房、2013年
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