内容
【カーディオをして…】
結石で悶絶してから、約6週間後にカーディオを行った。
自転車20分とクロストレーナー10分。
しかしながら、ステントと下半身の運動は相性が合わないようだ。
土曜日(20日)に、結石以来初めて、重量無しの足のリグレッション・トレーニング(自重)をした時も、尿に色が付き痛かった。
しかし、今月から再開した上半身だけのリグレッション・トレーニングは、それほど痛くはならないが、幾分負荷をかけたプログレッションとなると、踏ん張るからかカーディオと足のトレーニングと同じ反応を起こした。
思いっきりエクササイズができないことが、なんとも悔しい。
しかし、ホルミシス効果なのであろう、金曜日に上半身のプログレッション(負荷)筋トレとL.I.S.S(Low-Intensity SteadyState)カーディオを15分行った。
負荷量はいずれも最大量に対して50~70%の重さで、L.I.S.Sカーディオは強度50%以下、トレーニング後いつもの軽い痛みと尿の色が見られたが、帰宅後には消え、日曜(28日)に行った足のリグレッション・トレーニングでは痛みも色の変化も起こらなかった。
時として、ホルミシス効果が回復を早めることと思うが、ステントを取り除くまでは筋トレ負荷は通常の80%以上は避け、カーディオはL.I.S.Sだけでやっていこうと、はっきりとした輪郭が浮かび上がった。
【不食?】
今週の食事はハイブリッド。
ケトン食;ケトジェ肉(ほとんど野菜無し)が基本で、数回の糖質食。
週末はOMAD。
月曜;①ケトチーズパン2枚+ツナ缶+ゆで卵2個、トレーニング前チーズパン1枚+ゆで卵1個 ②タラとエビ+玉ねぎ・生姜
火曜;①チーズパン2枚+エッグマヨネーズ+ニシン缶(マスタードソース)②チキン焼きそば、ピーナッツ両手の平
水曜;①鶏腿4本+フレンチマスタード、マカデミアナッツ一握り ②タラとエビ+パルメザンチーズ+玉ねぎ・生姜、プロテインバー
木曜;①鶏腿3本+マカデミアナッツ一握り ②鶏レッグ3個+レバー+ソーセージ(グルテンフリー)4本+熟成ゴーダチーズ
金曜;①ゆで卵3個+鶏レッグ3個+ツナサラダ ②鶏胸+寿司
土曜;糖質食(食べ放題レストラン)、ピーナッツチョコ
日曜;鶏脚2本+ポークチョップ2枚+グルテンフリー・ソーセージ4本+玉ねぎ・生姜
これで、どこが不食かと思われよう。
実は「不食」を心掛けることによって、以前よりも1食の量が減ったのだ。
以前は、卵4~6個に肉400グラムなど朝飯前であったが、現在はその半分ぐらいの量に減らし、腹八分で満足するように自身をコントロールしている。
やはり運動をしているので、全く食べないことには抵抗を感じると共に、栄養不足と栄養過多になることを避け、筋肉や体力、健康維持・向上のためのバランスを、食事の量で模索しつつ測っている。
これまでの極端な性格を改めるのに、「不食」のスローガンが大いなる助けとなっていることを強調しておきたい。
【機能医学】
最近、勉強の素材としているのが、ポール・サラディーノ医学博士のポッドキャストだ。
拙著『ケトン人2』でも紹介したが、ここで更に、ポッドキャストの1エピソード(https://carnivoremd.com/ketocon-2019-the-carnivore-code/)から紹介させていただくと、サラディーノ博士は化学の学士号を修得し、その後再び大学に戻って、学業終了後は循環器科で働き、次に機能医学を学び、機能医学開業医の資格を修得してから、今度はワシントン大学精神科に籍を置いて、精神科・胃腸・内分泌・皮膚科などの診療に当たっていたが、現在はサンディエゴに移って自身のクリニックを開業したようだ。
柔術や波乗りなどが好きなようで、博士が肉食を始めたのはつい去年のこと。
マケイラ&ジョーダン・ピーターソンの体験を聴いてからとのことで、それまでは、ローヴィーガン→オルガニック・パレオダイエットをしていたが、 長年湿疹に悩み、自己免疫疾患を考察し、行き着いた果てが肉食だった。
病というものは、なにか深いものを学ばせてくれ、その人にとっての人生の意味を気付かせてくれる側面がある。
上記の医学大学の遍歴など、持病がそのバネとなっていたことが窺えるが、その後の跳躍力が凄い。
殊に、植物繊維や植物栄養素に関して、従来の常識を理論的に覆そうとしていることだ。
博士は機能医学;Functional Medicineを基本にして、食事や生活習慣の改善からの根本治療、病の改善・健康促進を目指している。
今回の取り上げるエピソードは50分と、通常の半分の長さであるが、その内容が濃く博士の話すスピードが、アイルランド人以上に速い。
まず、要点をまとめて紹介しよう。
・人類は進化の過程で肉食であったとの証拠に、8万年前の遺骨・歯またはコラーゲンには大量の窒素が含まれていて、その量は肉食獣のハイエナ並みであるとのこと。
・原始時代の森林は、現代ものとは全く違ったもので、野菜にしても毒素に溢れ現代のような可愛らしいものではなかったこと。
ここで、博士の講演を聴いていて、吾人が気づいたことを述べさせて頂く。
植物が音や化学物質を使って、お互いにコミュニケーションを取っていることを聞いたことがあるだろう。
また、傷ついた葉っぱが、即座に他の部位に信号を伝達することを聞いたことがあるだろう。
もちろん植物は生きているが、このような伝達機能があると発見されたのはごく最近のことで、この機能を深く考えると、結構恐ろしい理由が隠されていることに気付く。
つまり、種の保存のために、植物には多かれ少なかれ毒素が含まれていることは度々述べてきたが、これに植物間の伝達機能を組み込むと、植物は種の継続に影響の無い範囲で、昆虫や動物に食べられることを許す?が、この範囲を超えた時に、つまり伝達信号の量が減った時に、毒素が強くなる仕組みを持っていることだ。
花粉症の方は、この植物の防御機能の恐ろしさを充分に理解して頂けることと思う。
太古の風景画を想像すれば、植物にもホルミシス効果があるし進化をしてきたことに、誰も異論はないだろう?
吾人が懸念するのは、将来人類の傲慢さが植物の毒素や防御機能を強めてしまうかもしれないとの、サイエンス・ファンタジー的な考えだ。
ここで、再び博士の要点に戻れば;
・植物はどれくらい食べられていいかを規制するメカニズムを発達させてきた。
それが、植物毒素のすべてのアイデアである。
・植物は食べられたがっていないし、我々人間を愛し返すことはない。
・(皮肉った意味で)ファイトケミカルはマジカルだ。
マジカルなら、炎症マーカーや酸化ストレスが減るはずだが、誰もそのような調査結果を見たことは無い(いくつかの調査を紹介)。
【レクチン】
2017年「The Plant Paradox」と言う本が出版された。
この本では、レクチンという耳新しい物質が主題。
レクチンとは、炭水化物と合体したタンパク質;糖タンパク質で、グルテン(レクチンの一種)と同様、体に悪影響を及ぼすもので、ほとんどの植物、またアニマルベースの食材に含まれている。
肥満、糖尿病、自己免疫疾患、心臓病、神経変性疾患など、このレクチンが根源であるとの説で、邦題は「食のパラドックス」スティーブン・ガンドリー著、白澤卓二訳で翔泳社から出版されている。 https://www.shoeisha.co.jp/book/article/detail/155
もうすでに読まれた方もおられるだろうが、正直、吾人は未だ読んでいないし、読もうとも思っていない。
理由は、レクチンは自己免疫疾患や神経変性疾患に影響を与えるであろうが、その他の肥満や疾患には別な要因が存在し、レクチンだけを疾患の根源とするには無理があると思うし、視野を狭める危険性を感じるからだ。
悪玉は、なにもレクチンだけではない。
さてこのレクチンはプラントとアニマルに分けられるが、上の書籍の概要を見る限り、プラントに比重を置いているような様子だ。
またガンドリー博士は、ポッドキャストやユーチューブを行っていて、サラディーノ博士とフレンドリー・ディベイトなる興味深いエピソードを収録している。https://www.youtube.com/watch?v=vpRyuOigAfs&list=WL&index=25&t=0s
このポッドキャストを拝見する限り、ガンドリー博士も野菜や果物に関しては否定的であり、肉食とまではいかないが、ケトジェニックを充分に理解しているようで、サラディーノ博士と同意する点が多い。
さて、レクチンに関してサラディーノ博士の意見を紹介すると;
・我々の体は、プラントベースとアニマルベースとでは、それぞれ違ったオペレーションシステムが働く。丁度MacとWindowsのようなものだ。
・アニマル・レクチンはプラント・レクチンとは違った、免疫機能の引き金を引くように見える。
これは論より証拠で、博士を含め野菜を断ち肉食に移行した人たちが、自己免疫疾患を改善した例が豊富であることと、吾人も体験したことで、体脂肪が驚くほど短期間で削減したことは、アニマル・レクチンはプラントのそれとは全く違った反応を示すことが明らかであると頷けられるのだ。
【生物学的利用能】
生物学的利用能;Bioavalabilityとは、服用した薬物が、血中に入って全身に循環し、どれほどの作用を及ぼすかの指数で、博士いわく植物の栄養素はこの利用能が低いことを強調している。
生物学的利用能は植物由来よりも、動物由来の方が高く吸収されやすいとのことだ。
理由は植物に含まれるフィチン酸が、鉄分や亜鉛、カルシウムなどのミネラルや栄養素の吸収を妨げるようだ。
・ブロッコリーにはカルシウムが豊富であるが、我々の体はその全てのカルシウムを吸収することはできない。亜鉛など諸々のミネラルを吸収することはない。なぜならフィチン酸によるもので、これらは全て生物学的利用能へと帰結して説明できる。
・ベガ・プロテインには35グラムのタンパク質が含まれていると言うが、全てを吸収するなど、とんでもない。このタンパク質はアニマルベースと同等の生物学的利用能ではない。
・植物におけるビタミンB 群にしても、糖タンパク質によって、ほんの30%の生物学的利用能しかない。
・葉菜類の葉酸にしても、動物性の葉酸に対して30%しか吸収されない。なぜなら糖タンパク質の影響によるからだ。
【ビタミンK2】
・ビタミンK1とK2に関するロッテルダム研究によれば、ビタミンK2を多く摂取すれば、冠動脈疾患のリスクが減った。
ビタミンK1は植物に含まれ、動物性食品には含まれていない。
ビタミンK2は、卵・肉・レバーに含まれている。
・ビタミンK2は、カルシウムをどこへ運搬するかを、体に知らせる。
・血栓を防ぐために、ビタミンK1が必要だと言われるが、ビタミンK2にも充分にその機能がある。
この記事の執筆中に、ビタミンK2に関して更なる情報を得たので、これを紹介してこの稿を閉めよう。
フェイスブック、アイヴォ―・カミンズ氏Ivor Cumminsの7月29日付けのシェア投稿で、2013年に出版された「vitamin k2 and the calcium paradox」 Kate Rheaume-Bleue; ケイト・レイオームブルー著からの引用で、「ビタミンK2がオステオカルシンを活性化させる」との内容だ。
オステオカルシンとは、骨を形成する骨芽細胞から分泌されるタンパク質で、まず、骨形成の構造を説明しながらオステオカルシンをまとめよう。
余談だが、この骨芽細胞と破骨細胞は、パーソナル・トレーナーの試験範囲で何回も繰り返し覚えたが、オステオカルシンやビタミンK2のことなど全く聞いた事もなかった。
さて、骨形成は破骨細胞と骨芽細胞の破壊と創造によって成されるが、ここでは骨芽細胞に焦点を当てる。
1.ビタミンAとDによって骨芽細胞が作られる。
2.骨芽細胞はまずコラーゲンを素材とした類骨(オステオイド)を塗りめぐらす。
3.類骨を敷いた後、ここでオステオカルシンが登場。
4.オステオカルシンが、類骨上にカルシウムを塗って固め、骨形成が終わるのであるが、ここで、自動的にオステオカルシンがカルシウムを誘導するわけではない。
つまり、ここでビタミンK2が必要となり、ビタミンK2が不足していれば、最後のカルシウムを塗って固める作業が遂行されないのだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AA%A8%E8%8A%BD%E7%B4%B0%E8%83%9E
https://www.youtube.com/watch?v=78RBpWSOl08&list=LLsE0GvZq3KttChqROgsBuaA&index=16
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2018/009754.php
このことが骨を形成する上で、動物性タンパク質が大事である理由の一つであるのだろう。
また、オステオカルシンはホルモンとしての働きもあり、膵臓に働きかけてインスリンを分泌させ、インスリン感受性を増加させる働きがあり、この機能を遂行するためにもビタミンK2が必須であるとの研究も紹介している。
将来、これまでの常識を覆すデータが、更に発表され続けることは論を待たない。
肝に銘じておくべきは、感情的な判断ではなく、公正で柔軟な思考力であり、我が身を憂えるよりも、後継の人達が憂え無く歩める道を築いておくことが重要であろう。