肉体改造実験

<これまでの経過①>

年末に、2020年からワークアウト教室でも始めようと場所や時間帯も確保し、エクササイズメニューも作成、また自身でメニューを実践する中、新年を迎え、あともうヒトッ飛びというところで、腑に落ちないことを発見した。

それは、1年前の自身と比べるために、元旦三日目に写真に記録を収めた。

そして、過去の肉体と見比べてみたところ、残念ながらなんの変化も見られず、中途半端に脂肪がぶら下がっているではないか。

「自身の肉体をコントロールできない奴が、どうして人様に指導などできようか」とのフィットネスコーチとしてのこだわりがあるので、すぐさま教室の計画はボツにして放り投げ、まずは自身を変革することから始めることにした。

 

<これまでの経過② ダイエット>

ダイエットは基本的に1日2食の魚肉ケト

それに加えてトレーニング内容とボリューム、またはカロリーアップの日によってターゲット・ケト;TKD型の糖質摂取

週一のOMAD。

・野菜は生姜、ニンニク、玉ねぎ、マッシュルームが主体である。

・飲み物は、まず寝起きに重曹水に一摘まみのヒマラヤ塩、そうして順を追っていけばコーヒー(小匙1)2杯、水、夜にアップルサイダー酢とレモン割水。

ウェイプロテイン・アイソレイト。

 

1のカロリー調節は2200kcal以下で、週に1日;

・カロリーを2500kcal越えの日

・食べ放題のカロリー無制限(カロリー換算無し)を設けた。

食べ放題と言っても、以前のようにバイキング・レストランに行ったりと爆食いをするのではなく、カロリー値3000~5000kcalの域で、満腹になって苦しくなることを避けている。

これらに加えて

・2週間カロリー平均が2200kcalのダイエットを続け、

・3週目には2500kcal平均をして代謝の閾値を上げ、

・4週目にまたカロリーを落とした。

おかげさまで、食材のカロリー値が判断しやすくなったので、5週目の始まる2月はカロリーを日に2500~3000kcalに上げ、ウェイプロテインの量を減らして、魚肉食の量を増やした食習慣となった。

おかげさまで、食材のカロリー値が判断しやすくなったので、2からは食事とカロリーの記録は残すが、1月のように神経質に毎日カロリー換算をすることは止め、食べ過ぎた日の翌日はOMADかカロリーを落とした食事というように調整できるようにもなった。

 

糖質

吾人は何の抵抗も無く糖質を摂取するが、もういい加減に過剰摂取の弊害にはうんざりするようになった。

例えば、カロリーアップの日に糖質を摂取したとき、つい度を超え過ぎて、その後にダラダラとした倦怠感や筋肉への凝りを生じやすくなることに前々から気付いていたが、今年になってこれらの辛い体験を重ねるうちに、確実に糖質量をコントロールする必要を痛感した。

量としては200グラムが限度であり、娘が来た日には一緒に白米も食するが、娘と同量の150~200グラムほどで、体がボロボロで料理など億劫なときは、中華やフィッシュアンドチップスなどのジャンクを食べて、ゴロリと休むことは月に3回がこれまでの平均であった。

トレーニング前の糖質摂取は、時々ビスケットやチョコを3枚ぐらい口にしていたのが、2月中旬以降からはほとんどウェイプロテインだけになった。

 

 

<これまでの経過③ ワークアウト>

筋トレとして、筋肉の弱い部位を強化することと同時に、筋肉発達のバランスを保つためにスーパーセットを多用

週のトレーニングボリュームを10-20セットに保つように努め、常に重量のオーバーロードを試みている。

週に1度はケトルベル。

ケトルベルを世界に普及した第一人者とも言えるパベル・ツァツーリンpavel tsatsoulineのストレンス・プロトコルを週に1度だけ取り入れた。

プロトコルは初心者週2~3セッション、上級者は週6日であり、エクササイズメニューとしては;

1.スウィング、片腕/両腕、10回×5セット/10回×10セット。

2.ターキッシュゲットアップ、5回×5セット

であるが、目下吾人は月曜の肩と僧帽筋のトレーニング後に、全身のストレンス運動であるツァツーリンのメソッドを取り入れている。

6週間同じトレーニングメニューをこなし、それなりに強度が増え全体的に追い込んでから、7と8週目はディロードとして2週間維持的・回復的な量と強度のトレーニングをする流れである。

有酸素運動としては、水曜の朝に45分ほどサウナで心拍数を上げ、汗を流して体内の腐敗物や毒素を処理し、冷水を浴びてミトコンを増やして体を癒すことが習慣となっている。

ジムでマシーンを使う日もあれば、自宅で空手、ジョギング、ウオーキング、7分間ワークアウトことHICT;ハイインテンシティ・サーキットトレーニングとその時の気分で柔軟に対応。

週平均のカーディオは2時間。

 

実験

1セットトレーニング;ある一部の筋肉グループに、Failure(限界まで追い込むこと)を1セットだけ毎日行い(週5~6日)、6週間後の筋肥大が可能かを確認。

これはベン・グリーンフィールドとTed Naimanから聞きかじったもので、実際には、科学的にはポジティブな結論が発表されているが、これは個人的に可能かを試すデータへの理性批判的挑戦であった。

運動の強度とボリュームが積み重ねられ、自然に筋肉に刺激を与えるとの理屈から、筋力アップと筋肥大は見られるものであろう。

今回は、胸と背中の運動を実験対象に行ったが、実験結果として1カ月後には体が音の無い悲鳴を上げているのがありありと感じられたので、即中止した。

キツかった。

それでも、ディロード期後に新たなトレーニングメニューを始めた際に、筋肉の強化と安定感がひしひしと感じられた。

 

3月に入ってから、ユーチューブで高頻度トレーニングの理論を別の角度から改めて勉強したところ、どうもやり方が吾人に合っていなかったようだ。

こちらの理論は、高頻度は筋線維の動因を効果的に促すので、重量を扱う場合は重すぎず、回数的にも追い込まないことで、3~4週間の短期集中に最も効率的とのことだ。

『High Frequency Training』THIBARMY. https://www.youtube.com/watch?v=5ccq3DBMuiU&t=192s

 

 

 

<Protein>

ウェイプロテインにはConcentrate (濃縮)とIsolate(分離)がある。

Concentrate はタンパク質がほとんどであるが、糖質、脂肪、乳糖が含まれていて、Iso (Isolation)は糖質、脂肪、乳糖がほとんど無きに等しい。

昨今、日本の一部ではEAA;必須アミノ酸が人気を博しているようであるが、実はウェイプロテインには、バランス良く必須アミノ酸やその他のアミノ酸全般が含まれていて、Isoなら、純粋なタンパク質量の濃さと余計な栄養素をはじいていることから、EAAにも引けを取らない質である。

またブランドによっては、L-グルタミンやL- カルニチンなども含まれていて、値段的には従来の濃縮型よりも高くつくがEAAよりは安い

これらが理由であるとは言い切れないが、アイルランドのスポーツサプリ店ではBCAAは目につくが、EAAはほとんど取り扱っていない。

個人的にはIsoウェイを常用している。

 

さて吾人の1日のタンパク質摂取量は体重kgに対して2gをちょいと超える量で、ウェイプロテインは1はトレーニング前と間食時に計60~80gを摂取し、残りの100g近くのタンパク質は食事で賄っているが、2からは、ウェイプロテインは60g以下で、残りは食事から摂取するようになった。

 

余談であるが、EAAにしろウェイプロテインにしろ、これらはアスリートにとってのサプリであり、運動をしない人が健康の為にとアスリート以上に摂取するのは、どうも考え物である。

代謝に異常があったり、アレルギー持ちの方などは別として、実際アスリートであろうがなかろうが、健常者は食事から充分に必須アミノ酸を摂取できるものだ。

 

<Super Compensation>

日本でも話題となったことがあり、すでにご存知の方もおられるかと存じ上げるが、アイスマンことウィム・ホフ;Wim Hofの著書を最近聴聞した。

そこで、このSuper Compensation(超回復)を再び思い出させてくれ、刻みつけてくれた。

超回復とは;

「激しい身体運動はまた、筋肉に微視的な損傷を引き起こします。十分に休むと、ダメージが修復され、体が強くなります。(Web訳)」(「The Way of The Iceman」から引用)

個人的には、運動上のホルミシス効果と捉えている。

 

これまでステントが邪魔をして、6カ月の長きに渡ってリハビリトレーニングを続けてきた。

体を激しく動かしたり、踏ん張る運動を避けていた。

トレーニング頻度も週に2~3回が平均であった。

その間ユーチューブで、Jeremy EthierかJeff Nippardだったかは覚えていないが、この超回復を紹介していて、「頻度」を増やすことが、体全体を強くすることになると再認識させてくれたことがあり、今再びアイスマンの本で「これでもか」と叩き込んでくれた経緯があったことも紹介させて頂く。

 

<個人的「超回復」の方法と実証>

ステントをやっと引っこ抜いてから、これまで実践し超回復の経験を積んできたことを、ここで紹介する。

先の<これまでの経過③ワークアウト>の詳細ともなるが、いかに耐性と体力が付き強くなってきたかを物語っているので、僭越ながら紹介させていただく。

11月のトレーニング

筋トレは、負荷を1RM;Repetition Maximum(最大回数)の50~70%で、時々オーバーロードをして追い込みをかけ、筋トレ頻度は週に2~3回であった。

カーディオは、まだ走ることはせず、マシーンはローイングがボツ。

運動強度は徐々に上げ、頻度は週に2回ぐらい。

12月のトレーニング

筋トレはボリュームを増やしたが、それでもセット数は10セットを超えることはなかった。

7分間ワークアウトやケトルベルを導入し、筋肉の貧弱な部位;肩甲骨周囲の筋肉を集中的に鍛えることを心掛けた。

1月のトレーニング

空手も仲間入りさせ、いつも通りのトレーニングレベルとなり、頻度は週に2~3回ではなく週に6日、しかも以前の「2~3回」は1日の頻度に変わり果てたほど、体が強くなっていることに気付かされた。

実際、なんの運動もしない休日は、この月2日だけであった。

ところで上の文で、「いつも通りのトレーニングレベル」と記したが、正直言って、このレベルは20~40代で行っていたレベルではなく、吾人が10代の頃に行っていたものに近いほど過激さを増していることにも気付き、我ながら感服してしまった。

2月のトレーニング

目下、空手は週に2回が平均で、筋トレはバルクアップに重心を置くようになった。

メインテナンス的には、これまでサウナとフォームローラーだけであったが、2月からはストレッチやヨガも取り入れた。

最低でも週に1日は休もうと、注意を払いだした月である。

3月のトレーニング

これまで紹介してきた運動内容に、更に定期的な体幹トレーニングを取り組んだ。

トレーニングに多忙な日々を送っている。

 

<アナボリック抵抗性>

現在のバルクアップに舵を向けた理由として、2月に入るあたりから、先のアイスマンの「超回復のこだま現象」がまた起きた。

それはあちらこちらから、「40歳を過ぎれば、10年ごとに8%の筋肉量の減少が起こる」とのこだまが耳に入り、このことが吾人の頭の中で中年から始まる「アナボリック抵抗性」を呼び覚まし、そこへきて山本義徳先生の動画で、40代以降は筋肉合成が起動するのにプロテインの閾値が上がるので、シェイクなど40g以上のプロテインを叩き込まなければいけないとのことで、ここでもまた「アナボリック抵抗性」にぶつかった。

『プロテインの摂取するべき量は年齢・性別・体重によって違ってくる?』https://www.youtube.com/watch?v=NRgfcHnsgrE

『ケトン人2』の第2章糖新生の項で紹介したこともある「アナボリック抵抗性」とは、「骨格筋においてアミノ酸の蛋 白合成を刺激する能力」が低下した状態で、原因は加齢だけではなく疾患の合併や運動不足、栄養不足などが挙げられる。

『高齢者におけるフレイルとサルコペニアを理解する』森 直治https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg/32/3/32_311/_pdf

現代社会においては、一般的に30歳を過ぎれば代謝やステロイドホルモン分泌、筋肉質量や筋力の低下が始まるもので、所詮は齢を重ねるごとに体が縮み弱くなり、病気にもなりやすいとの宿命的な常識でもあった。

が、フレイルやサルコペニアという暗い末路に、面と向かってタックルした科学者たちのおかげで、加齢における機能衰退は避けられるだけではなく、逆に強化増量が可能であるとの光明を投げ入れてくれたことは、21世紀のパラダイムシフトの一つであろう。

このことから、20代では否応なく筋肉合成がしやすく、30以降はその傾向が減少することを踏まえて、一刻を争うような衝動に駆られて筋肉増量へと視点が定まった次第である。

何もしなければタダでさえ減っていく筋肉なので、努めて筋肉を増やさなければいけない。

何もしなければ加速して減る傾向の強いものなので、若い頃の過激なトレーニングが必要となる。

しかしその過激さは、若い頃のようなガムシャラ傾向ではなく、科学的・合理的な冷静さを保ったトレーニングプログラムであることを、ここで強調しておく。

 

また、筋トレを押しのけて、有酸素運動を慢性的に行うのも筋肉減少を加速化させる。

ここで言う慢性の有酸素運動は中強度のレベルであるが、有酸素運動それ自体が誰にでも取っ付きやすく、汗を大量に流して運動後には爽快感を味わえるものであり、運動をしたとの満足感、達成感を得てストレス解消にもつながる心理的効果は抜群であることから、ほとんどの人はカーディオ=運動と妄信し、事足れりとして流されがちになるものだ。

しかし、近代の科学的新常識からすれば、この運動は酸素をエネルギーとするために、体内で酸化現象を倍増させることから、炎症を増やしやすい体質となり、果ては体脂肪よりもタンパク質をエネルギーとすることを好み、貴重な筋肉を惜しみなく犠牲にして、体脂肪を蓄える傾向に傾くことから、加齢と共にカーディオは減らして、(1)瞬発力を要する早い動き2)重いものを持ち上げる筋トレに重きを置く方が合理的である。

40歳を超えれば、ウォーキングなどの軽いカーディオは別として、中強度のカーディオは週に1時間半~2時間が限度であろう。

 

<アイスマンはケトン人>

ここで、アイスマンについて、感想を述べておきたい。

アイスマンことウィム・ホフは、科学が常識としている氷点下環境での人体への影響を、見事に覆す能力を氷点下環境で自ら証明し、そのトレーニング法として呼吸法や冷水浴、寒中水泳などを推奨している。

科学的には、人体を寒冷な環境に晒すと、ミトコンドリア生合成が促進されると同時に、褐色脂肪細胞も増える。

この褐色脂肪細胞は、白色脂肪細胞のように皮下や内臓に脂肪を蓄積する働きに対して、これら白色脂肪細胞を燃焼する働きがあり、熱を産生する。

ウィムは1日1食で、人間は不食に近い方が褐色脂肪細胞を増やし、脂肪代謝の体質となって余計な体脂肪を燃やし、健康で強くいられるというのであるが、「いや、ちょっと待ってや。それって、ケトン体のことじゃないの?」と、アイスマンはケトを知らないのだろうか、つい補足を加えたくなることも言っていた。

ケトン体は、ミトコンドリア生合成を促し、褐色脂肪細胞を増やし、体脂肪を燃料とするし、細胞の刷新化を行う。

ベン・グリーンフィールドだったと思うが、ポッドキャストでウィム・ホフはケトーシスだというような事を言っていたのを思い出させてくれた。

早い話が、ケトーシスになれば、ウィムのように毎日呼吸法や冷水を浴びる面倒が省け、リラックスしてケトン食を楽しみながら、ウィムの目標が達成されるものである。

 

<マッスル・メモリー>

マッスル・メモリーとの定理を初めて耳にした時、若い頃に鍛えた筋肉は、鍛え上げた筋肉の質と量などを記憶し、20代、30代に全くワークアウトをせず、40代でワークアウトを再開した時、筋肉は以前の最高潮を記憶しているので、以前のような筋肥大をしやすくなり、筋肉増量のスピードは、生まれて初めて筋トレを始めた人以上のものであると聞いた。

その例として、アーノルド・シュワルツェネッガーが良く取り上げられ、カリフォルニア州知事時代に筋肉をほとんど失くし、任期満了後にトレーニングを再開し、殊に前腕二頭筋のどう猛さに誰もが感服するものである。

最近では、マッスル・メモリーの記憶は筋肉ではなく、脳にあるとの説が浮き出しているが、実際にはすでにDNAに辿り着いている。

『Human Skeletal Muscle Possesses an Epigenetic Memory of Hypertrophy』2018.https://www.nature.com/articles/s41598-018-20287-3

 

さて、吾人が頻度を上げている空手エクササイズを取り入れた理由として;

1.マッスル・メモリーの理論;空手で鍛え上げた肉体なので、また空手で鍛え直せば、筋肉の発達は早いはず。

2.バランスとファンクショナル・ムーブメント;関節や全体の柔軟な流動性を求める為で、10代の頃のような破壊を目的とした突きや蹴りではなく、リラックスをして舞うような動作にしているが、身に沁みついたものなのか、気付けば若かりし日のように力と気合が入ったものとなり、エキサイトしやすくなっている。

3.瞬発力;リラックスをした状態で一息に力を込める動作は、筋トレとはちょいと違った刺激を速筋に与える。

 

と、特に1.の理由が主なもので、この理論を信じて映画『ベンジャミン・バトンの数奇な人生』のような若返りへ挑戦しているが、その理屈は「若い頃に鍛えた体は、同じことをして取り戻せ」というものである。

 

<変化;自己改革>

自己改革などとごっつい表現をしているが、いわゆる療養生活を軽く経験したからか、以前と比べて完璧に運動に対する姿勢が変わったので紹介しておく。

1.痛める鍛錬が労わる鍛錬に変化

以前は肉体をいじめて強くなり、すべてのエクササイズの目的は対戦相手をノックアウトするための、一撃必殺の破壊力を求めていたものであった。

しかし現在は、わりながらめつけ強くするようになった。

また、この労わりは体内にも触覚を伸ばし、認識力を確認してケトーシスであるかを判断し、眼球から膝の裏、手と足の指先まで心を配り、感じるというヨガ的な心持ちになったことだ。

実際に2月中旬から、10~15分ぐらいの短時間ヨガを取り入れた。

ヨガのポーズをしていくうちに、各部位の張り具合や張りどころから、体型の偏りに気付いた。

体のゆがみとでも言えるだろうか。

これまでのガムシャラさが、知らないうちに偏った動作を繰り返し、あっちにこっちに骨を押したり引っ張ったりして、バランスを大いに崩していたようだ。

 

また、変化の一例としてフォームローラーをしている時に、硬直したトリガーポイントを探り、時間をたっぷりかけてほぐす間、筋トレをしようがしまいが、筋肉を使うことの繰り返しがトリガーポイントを生み出すことを理解した。

ならば、普段無意識に多用している顔なども、その小さな筋肉群をほぐすことが必要なのではないか?

首や背中が凝った日には、すぐ痛みや重っ苦しさが感じられ、ほぐすことができるが、顔はなかなか感じられないので、早速「北斗の拳」のトキにでもなった気分で、顔のあちこちを10本の指で押しまくった。

すると、痛い所があるある。

こめかみや頬骨の下や内側、顎の付け根と下、耳の周り、眼球の周りと、痛いのを我慢して10秒以上指圧を加えると痛みが薄らいで消えていく。

 

この労わる心は、過去の自身と比べれば天と地ほどの違いがある。

以前は葉隠れ武士のように、脚を斬られれば腕で戦い、それで腕を斬られれば咬みつく気構えだったのが、脚を使えばほぐし、脚が凝っていれば腕も背中もほぐし、腕を癒せば顔面まで労わるとの心構えに変化したのだ。

外の破壊から内の統制にと、真っ当な人間になった。

 

カロリー換算

また、冒頭で触れたように、カロリーを気にするようになった。

これまでカロリー計算など見た目で充分と聞く耳を持たなかったが、試験的に普段の料理の具材を一つひとつカロリー換算したところ、思っていた以上に高カロリーであったことに驚かされた。

例えば炒めものに使用するギーやココナッツオイルなど、行っても大匙4杯かと思っていたものが、その2倍に値していたことや、手作りハンバーガーでもカロリーがかなりジャンプすることなど、少なめに見積もっていた間違いを発見した。

そうして反省すると共に、そのままカロリー換算を続けることに決めた。

 

3.トレーニング日記

またもう一つの変化は、エクササイズの日記を付けること。

これはJeremy Ethierの影響で、毎回のワークアウトの記録を残すことによって、確かにオーバーロードやプログラム作成がしやすくなり、筋力アップの過程も知ることができることを理解した。

またフィットネスコーチとして、ジムでノートを手に持って細目に記録を付けるのが、あるべき姿であろうとのこだわりが生まれた。

 

4.食即運動

これは食事と運動が二にして二にあらず、不二。つまり一体であるとの捉え方に完全に固まったことだ。

今日はこれを食べたのでこの運動、また、この運動をしたのでこの食事と臨機応変であり、四六時中食べ物とトレーニングのことしか考えていない。

 

<音楽>

また、最近ハッと気付いたことは、10代20代の頃のように、よく音楽を聴くようになっていたことだ。

長い間、音楽など時々聴く程度であったが、最近は勉強、執筆、仕事、そしてもちろんトレーニングの時に音楽を聴いている。

ジャンルは問わず、気に入った曲をランドムに聴いている。

今から約20年前に「癒し系音楽」との言葉が生まれたが、それよりも2500年もの昔にさかのぼれば、すでにピタゴラスは「音楽は人体を癒す効果がある」とのことを認識していたことに、脱帽してしまうものだ。

 

また、2月中旬から睡眠中にBGMを流すようになった。

音楽は528Hzのソルフェジオ周波数音楽で、この周波数はDNAと細胞の修復を行うと言われている。

https://www.facebook.com/pg/Solfeggio528hz/about/?ref=page_internal

これはなにも根も葉もない、ヒッピー的な飾り理論だろうと思いきや、上のリンク「ソルフェジオ周波数528Hz音楽」様から引用させて頂くと;

★ ★ ★ ★ ★ ★ 科学的/学問的観点

・補完代替医療(528HzはDNAの正常な働きを促す・水の結晶観察)
・音楽療法/音叉療法(オンサ)
・サイマティクス・セラピー(音振共鳴療法)/音薬(おんやく)療法/
・電子工学的治療/AWG治療
・運動機能学(キネシオロジー・Oリング)
・エピジェネティクス(意識や環境が細胞をコントロールし、遺伝子の振る舞いを変えるという新しい生物学)
・音楽心理学・音響心理学
・生化学(エンドルフィン、セロトニン、ドーパミン)
・神経学(「2000人に1人の割合で共感覚者が存在」Baron-Cohen 1996)
・脳科学(脳機能改善・脳波分析法)
・最先端科学(素粒子音楽・遺伝子音楽・ヒッグス粒子音楽)
・数学(ピタゴラス音階・フィボナッチ数)
・天文学(ケプラーの惑星音階)
・電気工学(ニコラ・テスラ “If you only knew the magnificence of the 3, 6 and 9, then you would have a key to the universe.”)
・感性工学(人が気持ちよくものを使えるための研究)

と、なんともまあ、難しい言葉を並べてくれて、まんざらオカルトだけではないこと教えてくれている。

 

このソルフェジオ周波数528Hzの他に、デルタ(δ)波の音楽も深い眠りに誘う音楽として、ユーチューブやスポッティファイなどで目にすることができる。

当初はデルタ波も528Hzも同じだろうと思っていたが、この記事の為に一応詳細を調べたところ、全く違う周波数の別物同士であったことに驚いた。

デルタ波

2018年の学術論文によれば、デルタ波の周波数は0.5~4Hzで、これに続いてシータ theta (4–7 Hz)、アルファalpha (7–13 Hz)、ベータbeta (13–30 Hz)、ガンマgamma (30–50 Hz) となる。

『A Novel Insight of Effects of a 3-Hz Binaural Beat on Sleep Stages During Sleep』

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6165862/

これらのヘルツは、我々の脳内で得られる周波数のことで、実際には

「正弦波の250 Hzの純粋な音が左耳に提示され、253-Hzの音が同時に右耳に提示されると、3 Hzの周波数レートの振幅の変動が脳に知覚されます(Web 訳)」

つまり、250Hz の周波数が左耳に感じられても、右耳では253Hz で感じられ、その誤差が脳に響き渡り心身に影響を及ぼすとのことだ。

 

それぞれの周波数における心身への影響例として、ガンマ波は「覚醒段階での脳の覚醒の維持」または「短期記憶を強化する」、シータ波は瞑想時にも発見され、「覚醒、注意、オリエンテーション、および作業記憶(認知および知覚パフォーマンスの強化を含む)」に関連し、「瞑想状態と否定的な感情を減らす」効果がある。

ベータ波は「単語の想起を改善し、長期記憶に影響を与える」。

そしてデルタ波は睡眠中の周波数であるとのことだ。

 

この実験では、レムやノンレム睡眠のそれぞれのステージを観察し、結論として;

「徐波睡眠は記憶の形成と統合に重要な役割を果たしているため、この知見を利用して、徐波睡眠を誘発することで睡眠の質と記憶を改善することができます。」

とのことである。

 

 

528Hz

先にフェイスブックの「ソルフェジオ周波数528Hz音楽」様からいくつか紹介したが、ここでは2018年の日本の学術論文からプチ追加。

『Effect of 528 Hz Music on the Endocrine System and Autonomic Nervous System』

https://www.scirp.org/journal/paperinformation.aspx?paperid=87146

結論は、たった5分間528Hz音楽を聴いただけで、内分泌系と自律神経系へのストレスが軽減されるとのことだ。

ストレスホルモンのコルチゾールやストレス指標のクロモグラニンAの減少が見られ、「幸せホルモン」「ハグホルモン」と言われるオキシトシンの増加が見られたとのこと。

DNA修復については、未だ学術的には解明されていないようだ。

 

以上のことを踏まえ、個人的実体験も重ねての感想として、この音楽を夜通し流して気付いたことは、寝つきやすいだけでなく、寝起きが気持ちいいのだ。

優しい音の中に目覚めるのが、なんだか気分が良い。

それなりに善い影響を与えている。

 

<ボーンブロス>

先に紹介したアイスマンの著書を聴聞した前後に、ケイト・シャナハンの『Deep Nutrition』と言うべらぼうに長い本を聴いた。

そしてここでも「こだま現象」が起こった。

 

冬休み前から行きつけのスーパーでスロークッカーを目にしたが、この時点ではエアフライヤーに興味があったのでいつも素通りしていた。

このスーパーはドイツ系の店で、すべて安価で人気があり、季節ごとに一風変わった商品が安く販売され、しかも質が良い。

いつかエアフライヤ―も販売されるのを期待して、買い物に行く度にチェックをしていたが、いつもスロークッカーが引っ込むことなく置かれていた。

そうするうちに、『Deep Nutrition』を聴き終わり、スロークッカーとボーンブロスの恩恵が無意識層に刻み付けられたようで、突如2月下旬に3千円もしないスロークッカーを買っとかなきゃ損であると閃き、わざわざスロークッカーだけを買いに行った。

そうして生まれて初めてスロークッカーを使用し、まずはボーンブロスを調理した。

 

スロークッカーの恩恵は鍋料理のそれで、諸々の栄養素を破壊することなく調理できること。

それこそ魔法であると『Deep Nutrition』では称賛していた。

そしてボーンブロスの恩恵は、肌、髪の毛や爪に良いとの美容面の利点が有名であるが、骨や関節、腸内環境、免疫力アップと筋トレに過激さを増す吾人にとって、無視することができないものである。

最後に吾人のボーンブロスレシピを紹介して、この稿を閉じよう。

 

<ボーンブロス>

1.骨(骨髄);牛、鶏、豚など鍋の底を埋め尽くす量

オーブンで20~30分、表面をこんがりさせてからスロークッカーへ。

2.玉ねぎ 1

3.ニンニク 7

4.塩 大匙3

5.アップルサイダー酢 大匙3

6.胡椒、パセリ、ミックスハーブ

7.水 4~5リットル

をかき混ぜて、24時間じっくり煮込む。

 

コロナウイルスのおかげで、免疫力強化に注目が浴びているだろう昨今。

自身心掛けているのは、ボーンブロスを含めたアニマルベースの栄養価の高い食事

と同時に間不食

そして運動睡眠である。

 

 

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