統計を読む

ケトン革命ブログの再開は、書籍では取り上げなかったこぼれ話を、しばらく紹介していきたいと思います。

今回は、『ケトン人3』に掲載しなかったいくつかの統計表と資料を紹介いたします。

 

自分は『虎ノ門ニュース』のファンで、特に金曜の武田×須田×居島は欠かさず視聴していまして、あれは確か多価不飽和脂肪酸の害を書いた後で観た番組で、武田教授がコロナのおかげで心疾患の死亡率が減ったと、いつものように統計を取り上げて喝破していました。

DHCテレビは、1カ月以前の動画は掲載しないようで、現在上の番組は視聴できませんが、武田先生が引用したと思われる資料がありますので、下に借用掲載させていただきました。

 

「年間死亡数11年ぶり減 コロナ対策で感染症激減」日本産経新聞2021年2月22日 20:12 (2021年2月22日 22:07更新) https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG228660S1A220C2000000/

 

 

これを見た時に思ったのが、「心疾患と脳血管疾患の死亡率が減った理由は、外食が減った=植物油脂の摂取が減った」とのことです。

しかしながら、これは疫学研究的な発想であり、強引に関連性をこじつけ、結論に急いだことは否めませんが、なんとも考える余地を与えてくれる統計結果であると思います。

 

次に『ケトン人3』の出版に踏み切ってすぐのこと、アマゾンさんがウツミンの書籍を推薦してくれまして、ウツミンがとっくの昔に油について警告を発していたんですね。

現在フィットネスの洋書『Body by Science』を勉強しているので、これを終了次第ウツミンの書籍を早速拝見する予定ですが、これには、「もっと日本の書籍を読もう」と反省を促されました。

多価派の害を、西欧の資料だけで悪戦苦闘していたことに、少々呆れてしまいましたが、実情といたしましては、未だ日本語に訳されていない良書や情報がゴロゴロしていまして、これらを「できる限り母国民に紹介していこう」との使命感に燃えているのであって、決して西欧かぶれでは無いということを、ご理解頂きたいと思います。

 

次に掲載しなかった統計表として、日本の植物油脂の消費です。

資料:農林水産省「油糧生産実績調査」、財務省「貿易統計」

注:油種ごとに国内生産量と輸入量を加算したものである。国内生産量は粗油ベース、輸入量には粗油・精製油を含むが、単純に加算している。

「6.日本の植物油事情」日本植物油協会より借用 https://www.oil.or.jp/kiso/seisan/seisan06_03.html

 

次にここ10年間の、各植物油別の消費量です。

「10.資料集(データ集)-植物油の生産から消費まで」日本植物油協会より借用 https://www.oil.or.jp/kiso/seisan/seisan10_01.html 

 

次は統計表ではありませんが、同著でカットした資料で、上の多価不飽和脂肪酸・リノール酸はレストランや持ち帰り食の調理用として使用されるだけでなく、お菓子やインスタント食品などの加工食品にも含まれていることは同著で述べていますが、実はリノール酸を含むトウモロコシや大豆などの穀類で飼育された家畜の肉、特に豚肉・鶏肉にも、天然肉では見られない量のリノール酸が含まれているとのことです

例えば、菜種油には約18%のリノール酸が含有されていることを基準にすると、穀類飼育の豚肉には12-14%、鶏肉には18-23のリノレン酸が含まれています。

「Linoleic Acid is making you FAT & Stearic Acid might just be the remedy w/ Brad Marshall」(動画30分目)Paul Saladino MD https://www.youtube.com/watch?v=i4bNPT1uQaM&t=1s

 

同著に掲載したグラフから、日本では肉(特に赤肉)の消費量が増えたことと、ガンや心臓病が増えたとを関連付け、未だ多くの医師たちはそのように読み取る傾向があることと察しますが、この関連性は、世界のグラフを観察すると当てはまらないものなのです。

特にアメリカでは赤肉の消費量は年々減少しているのに、ガンや心臓病の罹患は増加を辿っているからで、世界的に共通して増加をしている食品は、白肉をはじめ植物油脂であるのです。

 

ガンや心臓病、脳血液疾患の死亡率は世界的に減少傾向が観られますが、これは偏に医療技術の発達が寄与していることであって、罹患率は依然として右上り状態なのです。

 

最後に、ここ2年間で、死因の順位が入れ替わりました。

昔には日本人の死因1位であった脳血管疾患が、これまで3位まで転落し落ちついていたものが、最近になって老衰に越され第4位になったことです。

高齢化社会とも食生活の影響とも、様々な解釈がなされると思いますが、社会に何かしらの変化が起きていることは間違いないことであると思います。

次回は、脳血液疾患に関してのこぼれ話を紹介します。

「日本人の三大死因―「老衰」が第3位に(2年連続)」大修館書店 2020.12.01 https://www.taishukan.co.jp/hotai/media/blog/?act=detail&id=270#:~:text=2019%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%AD%BB%E5%9B%A0%E3%81%AE,%E3%81%8C%E4%B8%80%E7%9B%AE%E3%81%A7%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 

 

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